世界遺産 鎌倉 理由 アーカイブ - ふじあんnet通信 | ふじあんnet通信

鎌倉世界遺産 不登録とされた理由は

 4月30日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)は、世界遺産候補となっていた「武家の古都・鎌倉」について「不登録」を勧告した。
 イコモスは遺産候補について、「登録」、「情報照会」、「登録延期」、「不登録」の4段階の評価と勧告を行い、6月16日からカンボジアのプノンペンで開催される第37回世界遺産委員会において、勧告内容の検討が行われる。
 「情報照会」と「登録延期」については再評価の猶予が残されるが、「不登録」が決まると再推薦はできず、現行ルールでは登録は絶望的となる。

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 今回世界遺産候補として推薦した「武家の古都・鎌倉」の構成資産は次の通りである。

 神社  鶴岡八幡宮、荏柄天神社
 寺院  寿福寺、建長寺、円覚寺、瑞泉寺、鎌倉大仏、覚園寺、浄光明寺、極楽寺(仏法寺跡を含む)、称名寺
 寺院跡  永福寺跡、法華堂跡、東勝寺跡
 武家館跡 北条氏常盤亭跡
 切通  朝夷奈切通、名越切通、亀ヶ谷坂、化粧坂、大仏切通
 港跡  和賀江嶋

文化庁によると「不登録」という評価に至った理由は、大きく以下の4項目についての証拠が不十分だったためとされている。
(1)顕著な普遍的価値の提示不足
   上記「武家の古都・鎌倉」の構成資産の多くを占める寺社は、現在の各宗派の流れに沿った活動がメインであり、連続した有形文化財としての普遍的価値を提示することは、現実的に難しいと思われる。

(2)完全性条件の不足
   完全性とは、その物件の「顕著な普遍的価値」を証明するために必要な要素が全て揃っていることなどを指し、社寺、切通を除いて
「顕著な普遍的価値」を証明するための物証が十分に示されなかったとされている。

(3)現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠の不足
   鎌倉の武家による政治と文化の伝統に関して、精神的な側面・文化的側面が見えるもののが、物的証拠が不足している。

(4)人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例の不足
   寺社・庭園の景観は重要であるが、武家発祥の地として比較検討を行った結果を明示し、普遍的価値の重要性を認識させるべきである。

 こうなった以上、「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録は難しいかもしれないが、この経験を他の地域の世界遺産登録に生かして欲しい。

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